2017.03.31 うるしの恐怖
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先日、私の父が敷地内の造成をしている際、いくつかの木を伐採しました。私は現場にいなかったんですが、その場にいた三男坊は枝葉の片付けの手伝いをしたそうです。その日はいいお天気で、3月にしてはとても暖かく、頑張り屋の三男坊はTシャツ姿で枝葉を抱きかかえていたそうです。その翌日、父の顔は赤くパンパンに腫れてしまい、病院に行って手当をしてもらいました。三男坊はその日のうちに腕が赤くなりかゆみを訴えましたが、それほどひどいことにならなそうなので様子をみておりました。ところが1週間ほど経って状態が悪化し、顔も父と同じように腫れ上がり、目も開けられないくらいになってしまいました。

これは典型的な漆かぶれの状態なんですが、私自身、漆の木を見分けられることができず、すでに現場の木は根こそぎ撤去されておりましたので、その原因はほぼ間違いのない推測ということになります。

病院に行けばステロイド系の軟膏と、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬を処方されるんですが、それでもこの漆はすぐには治りにくいと言われています。

我が家ではいつも東城百合子先生の自然療法で手当をしています。まず試したのは蕗の葉です。まだ3月の寒い時期ですのでちょぼちょぼとやっと顔をのぞかせ始めた小さな蕗の葉を集めてそのまま肌に貼り付けてみました。

一晩経ち、様子を見ましたがあまり変化なく、依然変わらぬ激しい痛みに苦しむ息子。

もう一度「自然療法」の本を読み返し、その中から選んだ次なる手当が「豆腐パスター」。
これは初めての挑戦です。
水切りした豆腐と、その1割量のすりおろし生姜を混ぜ、小麦粉を加えてペースト状に固めます。それをガーゼに包んで患部に当ててあげます。三男坊は両腕と顔面に処置しましたが、腕はそれを包帯で固定し、顔面はそれができないのでパックしました。痛痒くてつらい状態にもかかわらず、この姿には本人も思わず笑ってしまいました。

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これがテキメンに効いたのです!
顔面は肌が敏感なようで、生姜がピリピリして痛いようだったので2回目以降は生姜抜きのシンプル豆腐パスターにしました。それでもパックが乾いてくると痒くなるそうで、1回のパック時間は30分から1時間程度です。真っ赤に腫れ上がっていた顔は初回のパックから一夜明けると明らかに腫れが引いていました。痒くてかきむしり、ひどいただれ様になっていた腕も目に見えて赤みと痒みが引いていきました。豆腐パスターは熱取りに効果があるとされていて、赤く腫れているうちは熱感もかなりあり、その熱取りにもとても効果がありました。

この豆腐パスターを丸2日間ほど処方して状態が落ち着いてきたあと、今度は栗の煎じ汁に変更。東城先生の本には栗の葉を煎じるとありましたが、この時期は落葉してしまっているので、栗のイガを使いました。それを大量に煎じて患部にスプレー。これも見事にヒット。患部はかさぶた状に乾いてきて、あとはそれが自然に剥がれて皮膚が新調されるのを待つ状態に回復しました。

しかし漆は怖い。同じ漆を触っても人によってはなんともないんですが、反応が出る人はとにかく凄まじい。実は時を同じくして長女の顔も赤く腫れ上がったんですが、長女は作業現場にはいなかったんです。漆は人から人には感染しないとネットにはあるんですが、どうみても同じ症状なんです。聞くと、父が顔を腫らしている日にその家に泊まり、洗面所の同じタオルで顔を拭いたそうなんです。それをあとから聞き、ああなるほど原因はそれかと納得。よっぽど強い漆だったんでしょう。

猪の念に続いて我が家を賑わせているこの騒動。自然と密に暮らしているといろんなことが起こります。いろんなことを教えてもらいます。同じ出来事が訪れても、それを敵に回すか自分の糧にするかは自分で選ぶことができます。そのことを理解していればなにが起きても大丈夫です。
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2017.03.21 タタリ神?
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先日、猪を頂きました。
今はまだ狩猟シーズンなので、知り合いのつてでこうやって仕留められた猪や鹿が回ってきます。
この日は一気に5頭。おそらく全部生後1年の若い猪です。

ハンターの多くは害獣駆除手当が目当てですので、証拠提出する尾だけを切断して役場へ持っていきます。残った身体は食されることは少なく、多くの場合はそのまま山野に放置されて自然に還ります。

走り回る獣を猟銃で仕留める場合は一気に5頭というのはありえないんですが、今回のこの子たちは箱罠にかかっていたんだそうです。箱罠というのはこんな感じの鉄柵でできたもの。

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中のエサ誘われて入るとシャッターが閉まって出られなくなります。相当頑丈にできているので、人を殺すほどの勢いのある猪が体当たりしても破壊することはできません。

箱罠の免許と猟銃の免許は異なるので、銃をもたなくても、より簡単な箱罠免許だけを取ってそれを仕掛け、かかった獣の処分は猟銃免許を持った知り合いのハンターにお願いするという方も多いようです。農家にとっては獣害から作物を守るのも死活問題ですからそれも仕方ありません。

そんなバックグラウンドがあり、今回の5頭がうちに来てくれた訳です。

解体には1頭およそ1時間を要しますので、近所に住む仲間の応援を呼びました。

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手前左は仲間の娘さん。2歳になりたてです。いのちのつながりをしっかりと見つめています。

その右がうちの末娘。4歳です。何度もこの光景を見ているので猪の姿からすでにおいしい食卓を想像しています。初めてお手伝いをお願いしました。

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すべての解体が終わったのは夕方5時過ぎ。
大仕事をみんなで終えて、その夜は手伝ってくれた仲間の家族も一緒に豪華な宴となりました。

メインメニューは焼き肉。

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サブメニューにひとくちカツ。

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まだ若い猪でしたので、そのどれも絶品!
屠殺からすぐの解体でしたので臭みもなく、肉はやわらかくてジューシー。みんな大喜びで、私もついつい食べ過ぎてしまいました。友人が持参してくれた有機ワインもすすみます。

ここまでは良かったのですが、その夜遅く……

ふと目が覚めると激しい頭痛。それにもだえること30分後、今度は激しい嘔吐。
これは脳卒中か?それとも食中毒か?と考える間もなく、嘔吐が終わった途端に今度は全身が痙攣し始めて座ってもいられなくなり、救急車にゆられて隣町の総合病院へ救急搬送となったのでした。

搬送中も酸素吸入が必要なほどの呼吸困難になり、まあ大変な騒ぎとなっておりました。
私は意識だけははっきりしていたんですが、なにせ苦しくて苦しくてもだえておりましたんで、周囲をよけいに心配させてしまいました。

全身の痙攣とそれに伴う呼吸困難は点滴や注射のおかげでほどなくしておさまりました。その治療と同時進行で頭の先から足の先まで種々の検査を行ったんですが、不思議なことにこれといって気になる原因がつかめず、お医者様も首をかしげながら、翌朝には自宅へ帰ってこられた次第です。

脳卒中に伴う嘔吐などであればMRIに映るはずですが、その所見はなし。
食中毒であれば、嘔吐と下痢がセットなんですが、今回は下痢もなく、造影剤まで入れた腹部CTにも血液検査にもそれを裏付ける所見が出て来ない。それに、この夜一緒に食事をした他の誰もがまったく問題なくピンピンしている。
最終的に、お医者様から消去法で最終的にいただいた診断は「(ストレスによる)胃けいれん疑い」でした。

これが西洋医学の答えなんですが、この一件を聞いた隣人は「◯◯さんの悪いエネルギーを受けたんじゃないの?」という精神世界的な意見。私としてはあんまり人の悪い影響を受けるというようには考えたくはありませんし、実際そんな感じは受けてないのでしっくりきません。

猪の解体をした日のことからずっと振り返ってみますと、私としては、これは猪の念が起こしたんじゃないかと思ってます。これまで何度も頂いた獣を解体して食べてきてなんともなかったのですが、今回は初めて罠にかかったものでした。罠にかかった猪は不安と恐怖にかられて暴れ回ったはずです。そして数時間か数日間もその中でもだえ苦しんだに違いありません。そして最後には人間が銃を持って現れ、絶望と怒りの中で最期を迎えたのでしょう。

それを想像すると、その念が身体に残っていても不思議ではありません。
もののけ姫に出て来る「タタリ神」がまさしくそうでした。

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住む森を犯された挙げ句、命を守るために戦いを挑んだ人間に仲間が皆殺しにされ、自らも鉄の弾をくらい、肉体が滅んでもその念だけで走り続けたあの猪です。そのタタリ神は死ぬ直前、アシタカに襲いかかり、その念をアシタカの身体に残して倒れました。アシタカはそのあと謎解きの旅にでて、最後には森と人との調和をもたらすことになるのです。言葉を変えれば、アシタカはその偉大なる役割を担える者として選ばれたとも言えます。

うん、そう考えると自分にだけ起こった異変は猪の念であるし、その念をキャッチできたということはある意味、なにか大切な役割をこれから担うよう選ばれたのかもしれない…。
医学的に「ストレスによる胃けいれん」といわれたところの、「ストレス」というのが、自分自身のストレスではなく、その猪が抱えていた死に直面した恐怖=ストレスであればそれも納得がいきます。

あんまり仰々しく考えたくもありませんが、この騒動はなにかこれから自分がすすむべき道の光明になるかもしれない、と思わせてくれる事件でした。ありがたや。