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 今年もそろそろ田んぼの季節が近づいてきました。
移住の翌年から縁あって使わせていただいていた田んぼは、昨年の刈り取りを最後に終了。
というのは、今までお借りしていた3畝(せ)の田んぼは、田主さんが持つ広大な田んぼの一角にありました。田主さんはこれまで、自家用+販売用で副業として手がけていたので、片端にある小さなスペースを私たち家族に使わせてくれていたんですね。肥料撒き、代掻き、苗の準備まで、至れりつくせりでとても親切にして頂いてました。

 米というのは、日本人の主食であるので国がその生産量を調整するという目的で農家に対して責任をもっているんですね。ところがだんだん食生活が欧米化して消費量が少なくなってきた。そこで田んぼはあるけれど、作りすぎると国が赤字を抱えてしまうということで減反政策が始まった。作らないでくれという田んぼに対してはある程度の補助金を農家に与えてきたんですね。その結果、休耕田や耕作放棄地が増えてしまい、同時に日本の食糧自給率も低迷。そんな状況で、政府は昨年から家畜のえさにするための飼料用米への補助金を増額することで食糧自給率を上げる作戦にでたんです。

 こういうわけで、その田主さんは自家用米の田んぼ以外は飼料用米を生産する(実際はよその業者さんに貸すんですが)ことにしたんです。はじめはこのことが理解出来ずに、なんで貸してもらえなくなっちゃうんだろうという悶々とした気持ちがしてたんですが、いろいろ調べて納得でした。

 戦後の食生活の変化、米離れ、国の農業政策、国の政策に左右されてしまう農家の現状、大規模農業の励行、いろんなことが見えてきますね。こんなことも、新聞読んだりテレビみたりしてるだけじゃわかんないことです。それを肌で感じてしまったいい経験でした。

 前置きが長くなりましたが、そんなわけで、今年はどうしたもんかと考えておりましたら、災い転じて福となる、がごとこくに舞い込んできた吉報。メリーモントからすぐ近くの川沿いに広がる田んぼをお借り出来ることになったんです。これまで水の管理や田んぼの準備など全部、おんぶにだっこだったんですが、これからそれらを全部自分たちでできることになったんです。うれしいやら不安やら。

 ところが、お借りするという田んぼ、ここ数年使っていなかったもので、水路が埋まってるんです。その水路掃除が最初のお仕事でした。その水路というのがすごい水路で、作られたのが大正時代らしい。しかも手掘り。ただの平地に溝を掘ったもんだと思ってたら、水源近くは人も入れないような山奥、秘境の果て。そこから水を引くために岩肌にトンネルを掘り、崖っぷちに溝を掘って延々その長さが2.5km!感嘆です。その水路掃除作業を、ともに水田を使っていく仲間たちと始めたわけですが、初めは引いてしまいましたね。水路に溜まった汚泥をひたすらすくい出す作業を延々と続けていくのかと思うと。でも、シャベルで泥をすくうとあたる溝底の堅さを感じるうちに、これを手道具だけで掘ってくれた先人への感謝に気持ちが変わってきましたね。この水路を開拓する苦労に比べたら溜まった泥をすくうことくらいなんてことない。こどもたちも神秘的な自然の奥地に抱かれてハイテンションでお手伝い半分、遊び半分で楽しんでくれました。

 そんな田んぼ新シーズンのスタート。今年はこんな農作業を一緒に楽しんでくれる新しい仲間にも恵まれて、今気分はかなりわくわく。移住7年目にしてあらたなステージに突入していく予感です。
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