上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2013.05.26 魔法の階段
steps.jpg

ちょうど一年前でした。
イギリス人の若いウーファーカップルがここへきて1週間滞在してくれました。
かれらは建築家志望&駆け出しの建築家でした。自分たちの勉強に建築現場での経験をととても素直に意欲的にいろんな仕事に取り組んでくれました。その彼らに私からお願いしたことが、中央階段の設計でした。階段は結構緻密な計算が必要とされます。足を上げやすい高さと奥行きをふまえながら始まりと終わりの場所におさめなくてはなりません。さすが専門家の彼らは私の苦手なCADを使ってわずか1日でその設計をやりあげてしまいました。しかも動く立体画像つきです。

それからちょうど1年でこの階段ができあがったのです。
丸太の半割ですべて作った階段。重厚感、木のやわらかい質感がなんとも気持ちいい。
そして実際に歩いたときの安心感と上がりやすさは彼らの完璧な設計の賜物です。こどももおとなも双方がちょうど足を動かしやすい高さって結構難しいと思うんですけど、それが絶妙のバランスで融合されてるかんじ。

中段にあるプラットフォームの部分は見習いにきてくれてたタイチくんとの合作です。それから階段完成までだいぶ時間がかかったのは、階段本体は床を張り終えてからじゃないと施行できなかったからです。もう夢にまで見たこの階段の完成。今は遊びにくる人みんなに「上ってみてよ」と誘ってしまいます。
そして思惑どおり、みんな「きもちいいね!」と言ってくれます。普通、階段上るのって面倒じゃないですか、でもこの魔法の階段は思わず上りたくなる不思議な階段なんです。

年老いて足腰よれよれになっても、吸い上げられるように足があがってしまうなんてことになるんじゃないかなあ、と勝ってに想像して微笑んでしまいました。

Special thanks for Ben&Clair , Taichi !
スポンサーサイト
2013.05.08 職人技
mako.jpg

 さて、伐採した丸太にかかるお仕事も一段落しました。伐採→皮むき→洗浄→防かび処理、と結構時間をとられてしまいましたが、仲間や家族の助けがあってことのほか順調でした。思えば、5年前に今建築中の家の材木を伐採したときには、切り倒してから皮むきまでに手間取り、皮が乾燥してしまい剥くのに大変な苦労をしました。その経験あって、今回の丸太処理はうまくいったわけです。

 そしてふたたび本業の建築仕事に戻っている現在。とりあえず来る梅雨までに仕上げておきたいのが外壁です。外壁はやはり1寸(30mm)厚の杉板を使います。これ、仕上げに使った床板と同じく、外壁にしてはとても分厚いものです。壁の断熱構造の主役を内外壁の板に担ってもらうためにこの厚さにします。内外壁の間には90mmの空間があり、そこには羊毛の断熱材を入れます。羊の毛と無垢板に包まれて過ごす冬が楽しみになりますね。

 さてその外壁工事の第一段階は板張りではなく、その下に張る「透湿防水シート」の施行なんですね。このシートはまったくもって自然素材なんかじゃないんですけど、かなりのすぐれもの(らしい)です。壁内の湿度を外に逃がして、なおかつ外からの水(吹きつけた雨なんか)を防ぐというもので、ゴアテックスみたいなもんです。お値段も安くて、家一軒分で1万円しません。羊毛はグラスウールなどのように梱包されていないむき出しの状態で施行するため、壁内の羊毛を濡らしたくないのでこのシートを施行することにしました。

 シートは1mの幅があり、それが50mのロール巻きになってます。その大きなシートを間柱に貼付けて行く作業なんですが、はっきり言って想像するだけで私には苦手な分野。木の加工なんかはきちっといけるんですが、柔らかいものは逆に苦手なんですね、どういうわけか。そんな不安を抱えながら施行に二の足を踏んでいるところに舞い降りたのが、失職したばかりで自由時間のできた友人のmakoちゃん(男性=上の写真)です。農作業バイトで知り合った彼の本業がなんと「クロス職人」だったんです!

 内装専門にやってきたのでこの種のシートは初めて、と謙虚さを忘れない彼ですが、たったの2日でこの見事な仕上がりでした!これからしばらくは彼の協力を得られそうなので、家の完成にむけて明るい光が見えてきましたよ。
dearslayer.jpg

 ちょうど2週間前の4月17日は次男の6歳の誕生日でした。阿蘇へ移住してきたときには3ヶ月の赤ちゃんだった彼がもう6歳。その成長ととともにここでスタートした新しい時間の流れを感じます。

 こどもの誕生日にはきまって手作りのものをプレゼントすると決めている私。今回、次男に何が欲しいかと訪ねると、「てっぽう」。最近、男づいてきた我が家の男子たちはラグビーごっこやら戦闘ごっこなどに熱狂しています。戦闘ごっこの際には木を削った刀を腰にさしてちゃんばらしたり、チープな作りの輪ゴム鉄砲でバンバン叫んで遊んでいる状況。故に彼が今「武器」をほしがるのは、まあこの歳の男の子からすれば自然の成り行きなんでしょうけど、親としてはもう少し平和な思想をもってほしいと願ったりもします。

 実は彼が「てっぽう」を私に希望したのはもうひとつ理由があります。4月に入り、長男/長女がまだ春休みのときに遊びに行った湯布院でのこと。素敵な木工製品のお店にふらりと入ると、美しい木の椀やら玩具やらが並ぶ店内の奥の壁に、それはまるで本物そっくりの木製の銃がたくさん飾ってありました。しかしよく見るとそれらは全部輪ゴム鉄砲だったんですね。大きなライフルまでありまして、高いものでなんと3万6千円!子供は「自分のお小遣いで買う」とかわいらしいことを言ってましたがそれが不可能なことはすぐにわかってくれました。
 木製なので「そんなの作ればいいよ」と軽くその場を流して来た私。しかし私にとってもそんなリアルなモデルガンクラスのものは作れるとは思えませんでした。

 それをしっかりと記憶に刻み付けていたんですね、次男は。「自分の親父は家も手作りしているし、あの3万6千円のライフル銃もきっと親父は作ってくれるんだ」と機を狙っていたんでしょう。そのときのことを引き合いに出された私はふだん「男に二言はない」を標榜しているだけに、当然Noとは言えません。一応、彼には「あれとおんなじレベルのものはできないけれどベストは尽くします」とリアル輪ゴム鉄砲製作にとりかかったのでした。

 そして出来上がったのが写真のライフル。建築作業ででた床板の端材をボディーにして銃身はホームセンターで買って来た丸棒。トリガーは少し固めのヒノキ板の端材から切り出し、スプリングを中に仕込ませて動く構造にしました。仕上げは柿渋で銃床を、銃身は水性ペンキで着色し、オイル仕上げとしました。さらにボディ側面には鹿の絵と「Deerslayer Ⅲ」の文字を焼き印しました。裏面には誕生日が分かるように「Kohga Ⅵ 2013」。輪ゴムを引っ掛けて発射するトリガー機構はいろいろ調べたものの、手作りしやすくてかつリアルな外観を損なわないという両立するデザインがなく、結局オリジナルの構造を考案しましたが、作動は完璧。単発ですが、確実に輪ゴムを発射できます。

 この銃のモデルになったのは米国Ithaca社製の「M37 Deerslayer Ⅲ」という狩猟用ライフル。Deerは鹿、slayerは殺し屋という意味。銃には主に2通りの用途があります。ひとつは戦争、もうひとつは狩猟。常日頃から人の命の尊さ、戦争の醜さを伝えていますので、彼に渡したのは後者の狩猟ライフルということにしておいたのです。自分自身も幼少期、空気銃での戦争ごっこに熱中していた時期がありました。その頃は本当の戦争の悲惨さとその遊びを結びつけるものがなにもないままに無邪気なまねごとをしていました。このプレゼントを次男に手渡すときには銃のもつ役割の重さを彼にしっかり話しておきました。今彼は毎日のようにこのライフルをもって山を駆け回っています。狙う先はその日の生きる糧であるといいんですが(どうか人間でありませんように)。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。