munagi kakou

昨日は台風一過の青空でした。
この1週間ほど、雨模様の天気が続いていたので、久しぶりに気持ちよく家作りの仕事ができました。

ひと月前に北側の桁(けた)を設置したあとは、小屋組みの部材づくりを続けてきました。これまでのところ、2本の母屋(もや)とそれを支える8本の束(つか)の刻みを終えました。昨日はいよいよ棟木(むなぎ)の加工に入りました。

棟木は建物の一番上にくる構造材です。屋根の中心となり、この棟木を頂点として両側へ屋根が広がっていきます。古来から、この棟木の組み上げが終了したところで、上棟式というものを行ってきました。それは、主要構造体が組みあがった時点で、その建物の安全を祈願するためです。欧米でもこうした習慣があり、やはり主要構造体が組みあがったときに最頂部に常緑樹でつくった飾りや旗を飾り、皆でパーティーをするようです。この習慣はもともと、古代スカンジナビアで木造建築をつくる際に木の精霊を鎮めるための宗教儀式としておこなわれていました。

我が家の棟木は全長が13m。伐採した杉の中で最も太く立派なものです。この木は生きていた時の姿を多く残したまま、私達家族を守るシェルターとなってくれます。夏の暑い日差や嵐の強い雨風から私達を守ってくれるはずです。そうした思い、祈りをこめてひとつひとつ木に手をいれていきます。

現代建築ではプレカットといって、すべての部材をコンピューター制御の加工所で木材を加工してしまい、現場に搬入されたその日には大型のクレーンであっという間に組み上げてしまう手法がとられます。建物はたった一日にして突如としてその空間に現れます。

私の行っている作業はそれとは正反対。すべて手作業でおこない、何をするにも時間がかかります。しかし、それ故に、すべての工程にわたって何がどう進んできたのかが私の中の時間に共有されています。そして、部材となってくれる木に対しても、私の思い、「気」を伝えることができます。これは他の何にも代えがたいことです。

今夏にはこの棟木は家の頂点におさまり、ひとつひとつの部材に住んでいた木の精霊たちはすべてが集まって、家として生きるあらたな命となってそこへ宿ってくれるでしょう。
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simple cooking tool

これは私が知る限り、最もシンプルなクッキングストーブです。

乾燥した丸太を縦十字にチェンソーでスリットを入れただけのもの。ですが、これが実に利にかなった構造なのです。

スリットの中に種火を入れて火吹き竹で空気を送ってやります。そのうちに丸太本体に火がつき、燃え始めます。空気は細いスリットの外から内側へと入りこみ、燃焼した熱はそのまま中央へ集まり上へ抜けていきます。さらに、燃えるのは丸太の内側だけで、外側は燃えないので、内部の熱はどんどん高くなり、見た目以上に熱効率は高いのです。

さらに、丸太の天端はそれ自体が五徳の役目をしているので、そのまま調理器具をのせることができます。

この細い丸太でも2時間は燃え続けました。特に今の時期、竹の子など長時間鍋を火にかけるときなどはうってつけです。

2011.05.12 スローツール
log trailer

 この1週間はふたたびユンボが壊れて使えませんでした。ゴールデンウイーク中は建築仕事はほとんどやらなかったので全く困ることはありませんでしたが、週が明けてからは建築仕事を再開。まずは小屋組みの束に使う長さ3~4メートルの丸太を切り出していきました。

 通常ならばユンボを使って丸太を移動させているのですが、それができません。はじめは丸太を転がして移動させていたのですが、翌日から雨。地面を転がすと泥まみれになってしまうこともあり、ちょっとした道具を作ってみることにしました。

 それが「ログトレイラー」。車輪が両側に2つついたログ専用の小さな台車のようなもの。そこに丸太をのせて引っ張るというそれだけのもの。車輪のサイズ的には一輪車のタイヤがベスト。しかしこれもひとつ1000円します。しかも屋外に放置してあったりすると劣化が早く、すぐにダメになってしまいます。

 そこでタイヤには丸太そのものを使うことにしました。丸太の円周は真円ではありませんが、ゆっくりと動くこういったものの場合には全く問題ありません。丸太を15cmほどの厚さに輪切りして真ん中に穴をあけて車軸となる鉄のボルトを通しました。ベアリングもありませんがけっこう滑らかに動いてくれます。

 人力で丸太のような重いモノを動かすとき、それを持ち上げて運ぶというのがまず考えること。これは丸太と地面の摩擦をゼロにする方法。でも持ち上げるというのは直径20~30センチの丸太ではせいぜい1メートルがいいところ。2メートルを担ぐとなると、相当マッチョな男でなければなりません。そこで私くらいの平均的筋力の持ち主は転がすか引きずることを考えます。転がすというのは丸太自体がタイヤみたいなものですから効率よく動かせます。けれど、丸太長よりも狭いところは通れないことと、方向転換するときには片側をいちいち持ち上げなければなりません。そこで、狭いところも通るとなると丸太を縦にして移動させます。3メートルくらいであれば、縦に回しながらぱったんぱったんと立てては進行方向に倒して進むということができます。これをやると相当な足腰の筋トレにもなり、マッチョボディづくりにはうってつけなのですが、効率を考えるとかなりマイナス。

 昔からの方法で、丸太を縦に引きずる際に、その下に短い丸太を枕のように敷いてその上を転がすという方法があります。単に引きずると、丸太の自重が相当なので、その摩擦でほとんど動かないものが、丸太枕をするとあっけないほどに軽く動いてくれるのでびっくりします。しかし、この難点は丸太枕を次々と進行方向へ運び続けなくてはならないということです。

 今回のログトレイラーは丸太枕に軸をつけて丸太と一体させたものです。シンプルな道具は古の知恵に基づいていて、実に利にかなったものです。現代の工業製品なんかは素人には理解しにくい複雑な構造で、使う人間がよもや道具に使われてしまっている感じさえします。ユンボなどはいったん故障してしまうと、あまりに複雑な構造なのでそれを修理することは素人(私)には不可能です。が、このシンプルなログトレイラーであれば誰がみてもなるほどと思えるシンプルな構造なので、いつでも修理することができます。

 シンプルな生活を支える、シンプルな道具。丸太の車輪を見ていると不思議に心がスローモードな世界に引きずりこまれていくのを感じます。夢は「大草原の小さな家」のように、木車輪の馬車生活ですね。
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 ゴールデンウィーク期間中はとてもいいリフレッシュになりました。仕事の面でも、普段やれなかったことがたくさんできて、とっても満足。薪集め、畑仕事、そしてこの蔓棚の作製。

ログキャビン横のこのスペースにはログテーブルと野外キッチンコンロがあるので、天気のいい日にはここでランチをすることがよくあります。厳しい冬の寒さが和らいだこの季節には日差しの下での外の食事はとても幸せな時間なのですが、夏にはその日差しがけっこうきつくなります。友人たちが集まってランチするときにも、せっかくのログテーブルは暑すぎて、狭い日陰に身を寄せるようにして避難することもあります。

 そこで、夏の幸せ空間づくりのために、ここに蔓棚をつくったのです。支柱となる木は薪を頂いている山にあった伐採されたケヤキ。それを掘っ立てにして二股になった部分に太い竹をかませて組みました。

 南側の支柱のふもとには地きゅうりの種とかぼちゃの苗を植えました。この2種はメリーモントの土に一番あっている作物で、毎年他の野菜を凌駕する勢いで旺盛に育ってくれます。同じ畑にあると、蔓性のこれらはほかの野菜たちに巻きついて大変なことになります。ですから、今年は少し離れてこの棚の上でのびのびと育ってもらうことにしたのです。かぼちゃの苗はすでに隣のログキャビンの南面にも植えつけてあります。

 こうした生きた日除けは自然の性質をうまく人間の生活に利用したものです。メリーモントのパーマカルチャーデザインも少しずつ形になってきてますね。

 
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いよいよゴールデンウィークにはいりました。
年間を通して、会社に縛られない、自由な時間を過ごしている私にとっては、ゴールデンウィークは勤め人の方々とは反対に労働ウィークとなります。今年もパワフルな仲間が東京から私の仕事を手伝いにやってきてくれました。それにくわえて、福岡からもワークステイに来てくれたお姉さんもおります。

ゴールデンウィーク初日の昨日は、いきなり最もハードな仕事「焚きもんとり」に出かけました。以前このブログにも書きましたが、近くに杉を伐採した山があります。伐採後にそこに残された丸太をいただけることになっていたので、いざこの機会にそれらを収穫することにしました。

場所はかなりの傾斜地ですが、広さはふた山はあるとても大きな場所に、無数の木が転がっています。

木材として出荷される杉の木は、根元からチェンソーで切り倒されますが、カットした根元の部分はたいてい太さが整っていないので50-60センチくらいは切り落とされます。そして、幹が真っ直ぐで曲がりのない部分、しかもある程度の太さがある部分だけが出荷されます。てっぺんの細いところ(直径10センチほど)のところも切り捨てられます。こうした木材伐採時にでる残渣ですが、薪としては大変役にたちます。私にとっては宝の山です。

昨日は我が家のこどもたちも参加しておおいに「がまだし(=熊本弁で「がんばる」の意)」してくれました。
常連の東京からの仲間は慣れた動きで丸太をチェンソーで運べる長さに切っていきます。そして大人でも滑り落ちる急傾斜地を、その玉切りした丸太を転がし上げているのが5歳の息子です。福岡のお姉さんも一緒に木を運び上げます。初めての山仕事にも関わらず根性を見せてがまだし!私は軽トラックにそれを積み込んで自宅までドライブ(私の仕事が一番軽かった)。

早朝からはじめたこの作業、お昼までの間に軽トラック8杯ぶんの薪を運搬することができました。これでおよそひと冬ぶんの暖房燃料となります。この山にはまだまだたくさんの薪が残っていますので、ご入用の方はお早めに。自然のサイクルにあるオルタナティブエネルギーを愛する方をこの山へご案内いたします。ただし、四駆のトラックを持参できる、「がまだしもん」に限ります!