kodomo DIY camp

 先週末、土曜日と日曜日の2日間にわたって「こどもDIYキャンプ」が開かれました。参加したのは我が家を含めて4家族。大人8人、こどもが9人、そして赤子2人でした。

 今回、こうしてこどもを主体としたイベントをここで企画したのは初めてのことでした。東京で発達障害児のセラピストであった私にとってはとても楽しみにしていたところでした。

 事前の準備段階で、プログラムはおおまかに、初日のお昼から集まってその日はいかだなどのDIYをおこない、夕方には火を使っての野外料理、そして夜はこどもたちだけでテント泊。翌日の午前に川へでかけていかだ遊びをし、昼食をとったあと解散というものでした。こどもたちに提示する課題のオプションはいくつか考えておいて、こどもがやりたいことを尊重してサポートする、というのが大人の役割としました。集まる予定のこどもたちの年齢は下は2歳から上は14歳までと幅広いこともあり、当然、各々の興味の対象、ペースは異なることは予想されました。こういうときに、私が思うのは、その集団にどういう「枠」をつくろうか、ということです。「枠」は有形のものと無形のものがあります。有形のものは物理的なスペースであり、また、目に見える操作対象であったりします。無形のものとは、時間であったり、ルール、そしてとくに企画する大人がその場をある方向へ誘導しようとする意識であったりします。

 セラピストとしての訓練をうけてきた私にとってはまずはこういう戦略をもつのが自然の志向であるのですが、今回のキャンプにおいては「枠」というとらえ方があまりふさわしくないことに気づきました。

 そもそも、「枠」は大人側の意図する中で相手に動いてもらおうとするためのツールであって、そこには「こういう流れになったらいいな」という意識が存在します。私などは、例えば「いかだをつくろう」ということになれば、最低限、そのこどもに成功体験をさせてあげるべきだと思うわけです。しかし「失敗体験でもいいじゃない」→「キャンプ中に限らず長い目でみれば成功につながるさ」という考えがあることに、一緒に企画した仲間に気づかされました。

 実際、キャンプが始まれば、いくらゆるい(または硬い)枠組みを用意しておいても、ほとんどのこどもがそこを突き破ってくれました。それだけ個々のこどものエネルギーが強いということです。もしも大人が(実際はそんなことはしませんでしたが)、事前に用意しておいた枠組みにこだわってそこにおしこめようとしたり、やや強引にこどもを誘導しようとすれば余計にこどものエネルギーは反対の方向へむいてしまいます。

 逆に、想像した以上にこどもたちが一緒になって動き、集団としてのエネルギーを発揮した瞬間もありました。それをあとで思い返して気づいたことは、動きの外側のラインをつくる「枠」という考え方よりも、引力のように求心性のある「核(コア)」を意識して場をつくったほうがいいんだということでした。

 あふれ出すこどものエネルギーを囲い込もうとしてもその力は想像を超え、予想しない方向へとんでいきます。それに比べて、集団があるコアへ向かってうまく動き出せば、個々のエネルギーは相乗していきます。実際説明するにはまだ期が熟していないのでみなさんには少々分かりづらいでしょうが、ここのところは次回に向けて私なりに勉強していきます。

 来年のこどもキャンプではそのコアを意識した場づくりをしてみようかなあと思っていますのでお楽しみに。
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making road

 今週末、このメリーモントで「こどもDIYキャンプ」(トランジションタウン南阿蘇共催)を開催します。こどもたちが自分達でつくる1泊2日のキャンプです。森の中にある自然の素材を使って遊び道具をつくり、食器をつくり、食べ物をつくり、そんなこどもの創造力を育てるイベントです。

 そのイベントにはうちを含めて4家族、10人のこどもが参加予定です。その準備のため、昨日は敷地内の私道を整備しました。

 ここの私道は、公道から敷地内をくだって、イベント中のキャンプ地につながります。しかし途中のこの坂道は水はけと日当たりが悪く、以前から雨が降ると4WD車でもスリップして登れなくなってしまいました。そこで今回、いい機会なので思い切って道を整備することにしました。盆休みの今は東京から頼りになる仲間も来てくれていますのでこうした大きい工事のときは精神的にとても支えになります。

 傾斜のきつかった坂はユンボで土を削って緩くし、湿っぽい土を乾かすために、日差しを遮っている木を伐採しました。そして昨日、建設会社に勤めている近所のおじさんも協力してくれて、トラック12杯分の灰岩(かいがん)と砕石を運び込んでくれました。灰岩は火山灰を含んだ岩石で、削りだしたものは粒子状の粉末になります。それをまずは土の上に厚く敷いてユンボのキャタピラを利用して踏み固めます。石灰や木灰もそうですが、灰は水に濡れて乾くと固まる性質があるので、雨後にさらに踏み固めるとカチカチに固まるそうです。傾斜のある部分にはその上に砂利を敷いて滑りにくくしました。これは、「コンクリート舗装してしまうと風情がなくなっていやだけど、土ではぬかってしまって困る」そんな僕のニードを理解してくれた近所のおじさんの提案でした。

 みんなの協力があってこの舗装工事は1日で無事終了。週末に出会うたくさんのこどもたちの笑顔が楽しみです。
2010.08.11 水のはなし
kasen pool

 先日、学校のレクリエーションで父兄参加の川あそびにいってきました。

 場所は隣の大分県竹田市にある「中島公園河川プール」。この竹田市には竹田湧水群とよばれる、湧き水が市内のあちこちでみられます。名水百選にも選ばれているこの湧水群は、阿蘇山系の伏流水が源流となっています。
 
 竹田市と大分県の共同事業でつくられたこの河川プールは、自然の川を利用し、ところどころ人工的にコンクリートで堰をつくってこどもが安心して遊べるように整備してあります。川の本流のすぐ脇にはウォータースライダーがあり、かなりの量の水がたえず流れています。本流よりも高いところから流れ込むこの水は近くの湧水地から湧き出てくる水で、極めて透明度の高い美しい水です。そしてウォータースライダーを滑りきった水が溜まるところにはなんと10センチ強のアブラメ(アブラハヤ)が群れをなして泳いでいます。

 私の記憶に残っているウォータースライダーは、「東京サマーランド」のもの。階段でスライダーの上に登ると、周りの住宅街やビルが壁を越えて一望できてしまうようなところ。水は当然かけ流しではなく、塩素消毒を繰り返しているカルキ臭。それをふと思い出して、ああ、こんな素敵なウォータースライダーがあるなんてあの頃は知らなかったなあ、と昔を振り返りました。
 
 日本は世界の中では本当に水に恵まれた国です。アフリカの中には、上水道がなくて、細菌に汚染された井戸水でも足を運んで汲みに行かなくてはならないところがたくさんあります。日本のほとんどの場所では蛇口をひねれば透明な水が出て当たり前。そして使えば排水口からどこかへ流れてくれて当たり前。この国の現代における保健衛生にとってこの上下水道の整備が果たした役割はとても大きいのですが、それから時間が流れてひとびとの水に対する意識が低くなってしまっていることに気づかなくてはなりませんね。

 家庭から出される排水、食器洗いや洗濯で使う合成洗剤やシャンプーに含まれる化学物質は下水処理場では処理できず、必ずどこかに残ります。そしてこの地球上に着実に堆積していきます。しかしそれを使い続けることに対しては多くの人は疑問をもっていません。水洗便所から流されるし尿は処理場での生物処理のあと、その汚泥は焼却処理しますが、それには大量の石油も消費しています。自分の排泄物の行方に、日々膨大なエネルギーが消費されていることを認識している日本人はどれくらいいるでしょうか。

 我が家では台所には食器洗い洗剤はおいてありません。そのかわりに、油がついた食器は麺類のゆで汁で洗うのがもっとも効果的であることは経験から学びました。そして、冬の間にとっておいた薪ストーブの木灰をスポンジに少しつけると、クレンザーのようにガラスのコップをぴかぴかにしてくれます。メリーモントの仮設トイレは地面に穴を掘ってその上に便座をのせただけの単純なものですが、地中の微生物がゆっくりと分解してくれて半年も経つと肥料として畑の土を元気にしてくれます。

 水はこの地球上に絶えず循環しています。海の水は蒸発して雲となり、雨となって地上に降りて山がそれをうけとめ、川になってながれ、私達の家にやってきます。生活の中で使わせてもらった水はまた川へ流れ、海へ帰ります。自分の家の中で、どうしたらその命の水を汚さずにいられるのか、少し考えてみましょう。そこにあるいのちのつながりに気づくと、生活の新しいあるべき姿が見えてきます。
aigaki.jpg

 今は土台が交差する部分のジョイントをつくっています。

 写真に見える欠きこみをした部分がそれです。太鼓引きにした部材ですから、両側面は丸みが残っています。そこにけがき(線引き)をしますから、素直に定規は使えません。直角定規をいくつか駆使して創意工夫しながらカットラインを引いていきます。けっこうこれはこれで頭を使って楽しいものです。そして実際のカットはすべてチェンソーでおこないます。フリーハンドでしっかりチェンソーを保持してぶれないように切り込みます。初めは少し控えめにカットして削りなおしたりしていましたが、その修正に結構な時間がかかりました。慣れるにしたがってカットライン上で一発カットできるくらいになってきます。このジョイントの加工は今のところ1ヶ所1時間半かかってしまいます。1日かかって3箇所。そして1本の土台を沈められるというペースです。

 この刻み作業はまったく自分でしかできません。現場監督さんも今週、ヘルプにきてくれていましたが、やはり手はだせません。このチェンソーでの刻みは一般の大工さんでも出来る人はいないので、これを修得すればもうひとつ人に真似のできない特技ができるかなあと、今は頑張って修行、修行、というかんじです。

 ジョイントの刻みが1本終わってうまくかみ合わせることができれば、あとは下の基礎柱との連結です。これにはボルトを使います。これは作業課題としては小さなこどもにうってつけです。

 いつも周りで遊びまわっているうちの2人の息子が参加。4歳の長男と3歳の次男。

 まずはボルトの準備。これは次男の役目。ボルトにあらかじめはまっているナットをくるくると回して外します。そしてはめる穴の側においておきます。3歳の指先の運動発達にとっては一番いい課題でとても楽しんでくるくるしてくれます。

 次に私がそのボルトを穴に差し込んでセット。ここからは長男の出番。ワッシャーとナットを裏表を確認してはめ込みます。裏か表かは一見よくわかりませんが、微妙に角がとれているほうが表。ナットも水平にねじ込み始めないとうまく入りません。それからはボルトを締めこみます。私と長男で両サイドから同時にレンチで締めます。長男のレンチは十字型の大きなもので、17mm~23mmの4種類の大きさがあります。字を読めるようになった長男は、私の口頭指示で19mmと21mmのレンチをよく見て使い分けるのが課題です。最後の締め込みも長男に任せます。この大きな十字レンチで締めこむと、長男の最大筋力でちょうどいい加減の締まり方でフィニッシュできるのです。大人の力だと少し加減をしないと木を傷めてしまうことになります。

 操作対象と操作方向が明確で、かつ単純な道具を介してそれを操作するとき、課題が適切であればこどもの意欲はもりもりとあふれてきます。そして見て明らかに操作能力が育っていきます。

 少し余裕をもってこどもと過ごした今日の午前中は、我が家の建築現場はこんな楽しいキッズビルディングスクールでした。「家づくりを通してこどものからだもつくっちゃおう!」そんな子どもむけのワークキャンプなんかやるのもいいかもしれませんね。