2017.08.12 稲の自然療法
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 のろのろ台風のおかげでずっとさえない天気が続いておりました。7月の早い時期に梅雨が明けたので今年はいもち病は大丈夫だろうと安心しかけた頃のこの台風。一昨日までほぼ毎日の雨。雨でない日も日照りがなく、いつも雲の中にいるようなじっとりとした湿気。家の中もカビだらけで洗濯物が全く乾かない日が続くと、もういもち警報発令です。

 案の定、恐れていたいもちが発生してしまいました。昨年はもう泣く泣く農薬散布に踏み切ったんですが、今年はこれまでの稲の成長が順調で、地力がありそうなので自然療法を試してみることにしました。

 調べてみるといもち病は一種のカビ菌らしいので、石灰などのアルカリ性に弱いとのこと。無農薬でのコメ栽培をやられている方の間ではいもち病に対して消石灰を撒くというはその対策として一般的のようです。

 消石灰といえばこのところ、漆喰壁づくりで馴染みがでてきたところです。ちょうど家にもストックがありましたのでこれを利用することにしました。

 ただ、消石灰は結構刺激が強くて、肺に吸い込むのは健康上よろしくないので、これを水に溶かして強アルカリ溶液を作りました。これは簡単です。大きなバケツに適当に多めの消石灰を入れてあとは水を入れてかき混ぜ、置いておくだけ。1日も置くと表面に何か薄い膜ができるのでそれを網ですくいとり、上澄み液だけを使います。

 散布には昨年の農薬散布の時に購入した人力散布機を使用。

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 これなら子供でも安心です。10リットルのタンクはちょっと重いようですが、6年生の息子が頑張ってくれました。

 このアルカリ水での消毒に加え、牡蠣殻を粉砕して粉にした「有機石灰」の直接散布のダブルパンチです。

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 ちょうどうちに遊びにきていた男の子が加勢してくれてます。花咲か爺さんの灰撒きみたいです。牡蠣殻石灰は消石灰よりも粒子が荒いので葉には付着しにくいので、アルカリ水の散布で葉を濡らすことで付着しやすくする狙いです。

 昨年までの経験から、今年はいもちを早期に発見することができたので、数カ所の発生スポットだけの作業で済みました。この作業を2回実施したところ、病気を抑えることに成功しました。病班自体も広がらず、色も薄くなってきたのです。自分でも驚くような効果でした。

 今年のいもち対策の経験からじわっと実感したことがあります。それは、稲の健康も人間の健康もおんなじなんだなあということ。稲も人間も、周りのすべての生き物とのつながりで生かされています。生き物が多様でそのつながりの鎖が多いほど、また、そのバランスがうまく調和しているほど、命の力は強まります。たとえ病気になっても、それはなんらかのサインであり、それを受け止めながら、調和を崩さないように優しくケアしてあげると命はあるべき方向へと改善していきます。そして、それを助けてくれる良薬は常に自然の中にすでに存在しています。

 これまで我が家で実践してきた自然療法の考えがこんなところで農と繋がるとは思ってみませんでした。新たな嬉しい発見でした。
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無農薬でのコメ作りのポイントは何と言っても雑草をどう抑えるかということです。これまでに何度も実績を重ねてきたチェーン除草ですが、今年もまたバージョンアップしてみました。

昨年までは長いチェーン1本を横に張った仕様でした。巷にはたくさんの短いチェーンをすだれ状に縦配置したものの方が人気があるようです。両方やってみなきゃどっちがいいか分からん、ということで今年は縦仕様を作ってみました。

それが1枚目の写真です。
角材は30×60mm、長さが185cm。6条仕様となります。
チェーンはmonotaroで購入した「雑用チェーン」。9mmの太さのチェーンで、長さ30mものが3690円(税別)とかなりお得。商品レビューを見ると、他にもチェーン除草用に購入している方もいらっしゃって、この用途としてはベストではないでしょうか。

このチェーンをどの長さでどのピッチで配置するかということが大きな問題なんですが、あまりピッチを詰め過ぎても重量過多になりますし、長過ぎてもまた重くなります。とりあえずピッチ5センチ、長さはリング8個分ということで決定。これでチェーンのみの重量は6キロ弱になる計算です。これなら重すぎることはなさそうです。

フレームの角材への取り付けも一番簡単な「また釘」を使用。チェーン1本にかかる引き抜き力はたいしたものではないのでこれで十分。

これが全容です。

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このもの自体はなんの変哲も無いチェーン除草機なんですが、今回の目玉は実はこちらの方。

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ウーファーさんの右手に持っているのが棒につけた滑車です。
チェーン除草機の最もシンプルな使用方法はロープを付けて人間が田んぼの中を引きずり歩くというもの。私もこの何年かこの方法でやってきました。そのエネルギーに化石燃料を使ってラクしたい人は田植え機で引っ張ったりするものもあるようで、ネットで調べるとそんな工夫が色々出てきます。

私の場合、できるだけ土壌をかき乱したくないということと、ラクに人間が引っ張れる方法を、ということで考えた挙句、この極めて単純な滑車方法を思いつきました。林業では伐採した丸太を搬出する際、ワイヤを引っ掛け、ウインチなどの動力を使って引きずり出すのを「架線集材」と言います。そこからヒントを得ました。

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原理としては簡単。除草機本体にはカラビナで細くて長いロープがつながります。このロープは理論上は田んぼの最長辺の長さが必要です。ロープの行く先は対岸の滑車です。この滑車は先端を尖らせて地面に突き刺せるようにした固定棒につなげてあります。ロープはこの滑車を通ってハンドルにいきます。このハンドルを人間が持って歩きやすい畔の上を歩くというものです。

この日(5/21)は第一回目のチェーン除草。この新型除草機の試運転です。

除草機本体を田んぼの端にセットした後は対岸に行って目標地点に滑車固定棒を突き立てます。

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動力となる引き役の人間は滑車のすぐそばから歩き出し、除草機をセットした対岸に向けて歩いていきます。

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引っ張り役の人間は、自分が引いている除草機本体と途中ですれ違うことになります。はたから見ているとまるで無人の除草機が船のように自走しているように見えて愉快です。

動力となる人間も意外に軽い力で引っ張れることにびっくりです。なにせ足元が泥にとられないので疲れが全然違います。フランス人の若いお姉さんも笑顔です。この後、小学2年生の息子もチャレンジしましたが、彼でも引っ張れました。

この日、3反の田んぼ全体をこの除草機1台で除草しましたが、所要時間は2時間。除草機本体のセット役1名、滑車棒保持役1名、引き役1名の3人体制で行いましたが、最低2名でも運用可能です。

この滑車使用のチェーン除草システムは大成功でした。後は除草効果の問題。
除草当日は水が濁って確認できないので翌日除草効果を見てみました。

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チェーンの通った後は真っ直ぐなラインが見えますが、そのラインの間は泥があまり動いていないようです。これだとそのエリアはいずれ雑草の種が発芽してしまいます。

そこでチェーンの間を短いチェーンでつないでみることにしました。

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それを翌日さっそく試してみました。

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するとその横方向に追加したチェーンが泥中にすき込んであった固形物を引きずり出して絡みついてしまいました。これだと稲にもダメージがありそうなのですぐに却下。

やはりチェーンは縦方向のみの仕様に戻し、改善策としてチェーンのピッチを小さくすることにしました。これまでは5センチピッチだったので、間に1本追加し、2.5センチピッチとしました。すると重量過多になってしまいそうなので、これまで8リングの長さだったチェーンを5リングに短縮化して重量増を最小限に抑えることにしました。

4日後に行った第2回目の除草時にこれを試したところ、結果は上々でした。

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これだけ密なピッチでチェーンが並んでいるのでほぼ泥の掻き残しもなさそうで、5リングという長さのチェーンでも泥の搔きあげ力は十分のようです。

このあと3回目の除草を行い、今シーズンのチェーン除草は終了。植え付け後50日が経過した現在、水管理ができている部分に関しては基本的に除草大成功。うっかり日差しの強い日に日干ししてしまった田んぼはヒエが出てしまっているので今ぼちぼち手抜きしているところです。
2017.05.12 田植え間近
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今年の苗は昨年よりも良くできてます。
品種は3種類。
一つは昨年も作った「イセヒカリ」。これは毎年伊勢神宮に奉納される品種だそうですけど、誰がどこの田で作っているのかはわかりません。でも、種もみの通販サイトで売られているもので、比較的原種に近く、病気にも強いということでこれを選んでいます。無農薬栽培にも適しているということもあり、今年も続行。

次は「ハッピーヒル」。一昨年にいもち病にひどくやられたブログ記事を読んだ読者の方に善意で頂いた種もみが昨年実り、今年は全体の半分がこれになります。今は亡くなられた自然農法の父、福岡正信さんが長年かけて作られた品種です。

そして今年新たにチャレンジするのが餅米です。基本は正月の餅つき用。なのでほんの少量。うちは大小合わせて9枚の田んぼがあるので、小さい田にみんなでワイワイ手植えするつもりです。

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これはその中のハッピーヒル。かなりの薄まきで、中苗まで大きくしています。今は平均15センチくらいの背になっています。根元の茎も太くて立派です。色もいい。ただ成長にばらつきがあるので、小さい子でも植え付け後に水没しないくらいに育って欲しいです。

その定植は今週末に予定しています。
田んぼの最終準備として昨日と一昨日の2日間をかけて仕上げの代掻きをしました。
今年は近所に引っ越してきてくれた農家仲間のマロちゃんと共同作業してます。

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マロは飲んべえですが仕事はがっちりやります。メリハリのある頼れる男です。彼にはやはり小さい二人の子供と奥さんがいますので、今年は頑張って2家族分の収量を目指します。

泥の中で穏やかに微笑んでいるのは、フランスからいらした新しいウーファーさん。

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フランスの大学院生で、論文にで日本の有機農業、特に米文化に注目してまとめたいということでうちにいらっしゃいました。今はまさにタイムリーなお仕事がたくさんなので、うちとしても遠慮なく汚れ仕事をしてもらっています。

昨年は一人悶々とやっていた地味な作業ですが今年は仲間と笑いの中で出来ることがなんとも嬉しい!
きっとお米もこのエネルギーですくすく育ってくれるでしょう。
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昨日は春の嵐が吹き荒れました。写真はその前日。小春日和で庭の桜が満開。今年は3月の末に相当冷え込んだので桜の開花が何処も遅れたようですね。この庭の桜は、確か我が家の建築中に植えたものですので5年ほど前でしょうか。それはまだ片手で軽く持てるくらいの小さな苗木でした。こんなに見事な花を咲かせたのは今年が初めてです。あんまり見事な木に成長したので、この日は桜の樹の下でお花見ランチとなりました。

その日のお仕事は翌日誕生日を迎える次男のバースデープレゼント作り。
今年のプレゼントは「ベッド」です。
今現在はお歳頃の長女を除いて家族全員変形川の字で雑魚寝状態です。しかし小学校に全て上がった3人の息子たちの私物で部屋が溢れてきたので、収納スペースも確保できる個人用ベッドの1号として作ることにしました。

材料となるヒノキは敷地内で伐採したもの。これまでは自作のチェンソー製材機での製材でしたが、とうとう本格的なバンドソー型のエンジン製材機を購入。カナダ製です。これでこれまでよりうんとラクに製材することができます。

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贅沢に10センチの角材をとりました。

部材の一つがあまりに重いので組み立ては子供部屋で。
次男が学校へ行っている間に次女と一緒に作業。4歳の次女は接着剤を塗る係。真剣に手伝ってくれてます。

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部材の刻みが正確であれば組み立ては簡単。
組み上がったすのこベッドがこれ。

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学校から帰ってきた次男は大喜びで早速布団を敷いて横になっておりました。
その晩は初めてのチーズフォンデュで晩餐。

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そしてデザートは恒例の妻手作りのバースデーケーキでニンマリ!

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誕生日プレゼントといっても「家具」のひとつです。私が小さい頃には当たり前に家にあったもので、ことさらそれに感謝することもありませんでした。家が出来たばかりの我が家には家具がまだ満足に揃っていません。父としては「誕生日」と理由をつけてただそのすべき仕事をしているだけなのですが、それでもこうして喜んでくれる子供達の純粋な心に感謝です。
2017.03.31 うるしの恐怖
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先日、私の父が敷地内の造成をしている際、いくつかの木を伐採しました。私は現場にいなかったんですが、その場にいた三男坊は枝葉の片付けの手伝いをしたそうです。その日はいいお天気で、3月にしてはとても暖かく、頑張り屋の三男坊はTシャツ姿で枝葉を抱きかかえていたそうです。その翌日、父の顔は赤くパンパンに腫れてしまい、病院に行って手当をしてもらいました。三男坊はその日のうちに腕が赤くなりかゆみを訴えましたが、それほどひどいことにならなそうなので様子をみておりました。ところが1週間ほど経って状態が悪化し、顔も父と同じように腫れ上がり、目も開けられないくらいになってしまいました。

これは典型的な漆かぶれの状態なんですが、私自身、漆の木を見分けられることができず、すでに現場の木は根こそぎ撤去されておりましたので、その原因はほぼ間違いのない推測ということになります。

病院に行けばステロイド系の軟膏と、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬を処方されるんですが、それでもこの漆はすぐには治りにくいと言われています。

我が家ではいつも東城百合子先生の自然療法で手当をしています。まず試したのは蕗の葉です。まだ3月の寒い時期ですのでちょぼちょぼとやっと顔をのぞかせ始めた小さな蕗の葉を集めてそのまま肌に貼り付けてみました。

一晩経ち、様子を見ましたがあまり変化なく、依然変わらぬ激しい痛みに苦しむ息子。

もう一度「自然療法」の本を読み返し、その中から選んだ次なる手当が「豆腐パスター」。
これは初めての挑戦です。
水切りした豆腐と、その1割量のすりおろし生姜を混ぜ、小麦粉を加えてペースト状に固めます。それをガーゼに包んで患部に当ててあげます。三男坊は両腕と顔面に処置しましたが、腕はそれを包帯で固定し、顔面はそれができないのでパックしました。痛痒くてつらい状態にもかかわらず、この姿には本人も思わず笑ってしまいました。

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これがテキメンに効いたのです!
顔面は肌が敏感なようで、生姜がピリピリして痛いようだったので2回目以降は生姜抜きのシンプル豆腐パスターにしました。それでもパックが乾いてくると痒くなるそうで、1回のパック時間は30分から1時間程度です。真っ赤に腫れ上がっていた顔は初回のパックから一夜明けると明らかに腫れが引いていました。痒くてかきむしり、ひどいただれ様になっていた腕も目に見えて赤みと痒みが引いていきました。豆腐パスターは熱取りに効果があるとされていて、赤く腫れているうちは熱感もかなりあり、その熱取りにもとても効果がありました。

この豆腐パスターを丸2日間ほど処方して状態が落ち着いてきたあと、今度は栗の煎じ汁に変更。東城先生の本には栗の葉を煎じるとありましたが、この時期は落葉してしまっているので、栗のイガを使いました。それを大量に煎じて患部にスプレー。これも見事にヒット。患部はかさぶた状に乾いてきて、あとはそれが自然に剥がれて皮膚が新調されるのを待つ状態に回復しました。

しかし漆は怖い。同じ漆を触っても人によってはなんともないんですが、反応が出る人はとにかく凄まじい。実は時を同じくして長女の顔も赤く腫れ上がったんですが、長女は作業現場にはいなかったんです。漆は人から人には感染しないとネットにはあるんですが、どうみても同じ症状なんです。聞くと、父が顔を腫らしている日にその家に泊まり、洗面所の同じタオルで顔を拭いたそうなんです。それをあとから聞き、ああなるほど原因はそれかと納得。よっぽど強い漆だったんでしょう。

猪の念に続いて我が家を賑わせているこの騒動。自然と密に暮らしているといろんなことが起こります。いろんなことを教えてもらいます。同じ出来事が訪れても、それを敵に回すか自分の糧にするかは自分で選ぶことができます。そのことを理解していればなにが起きても大丈夫です。