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ベッドルームの内壁です。
部屋の外側は私の得意な板壁にしたんですが、部屋の内側は左官仕上げにしようと思っていました。
しかし実はこれ、私の苦手な分野なんです。モルタルやコンクリートなんかはそれなりに経験ありますが、漆喰系は初めてのこと。そこで近くに引っ越して来た頼りになる友人にヘルプを頼んでいたところ、なんとさらに2名の強力助っ人を連れて現れてくれたのでした!

彼ら3人はプロの職人ではありませんけど、その腕前はまさにセミプロ、スーパー素人でした!
塗った壁の面積は2畳ほどでしたが、塗りやすいとは言えない形の壁面でしたので一人であれば1日仕事でした。ところが塗り始めてみればあれよあれよと、ものの1時間ほどで塗り終えてしまいました。

この御三方はもともと関東でのお仲間で、気心の知れた間でしたので、この日の作業もほのぼのわいわい、でもやるときゃ真剣にととってもいい時間をすごしてくれました。

この日に使用した左官材料は友人の得意とするチープな裏技でいくことにしました。
テイストとしては漆喰調ですが、もう少し凹凸のあるソフトな表面仕上げにしたいと思っていました。

漆喰の主成分は石灰で、それに砂、水、海藻糊、そしてつなぎに麻すさを入れたものが古来のシンプルなものです。

今はすでにそれらすべてが配合されたプレミックスの漆喰がパッケージされて売られています。

今回の裏技は、それを踏まえたチープオリジナルバージョンです。
まず、石灰として、農業資材としてどこのホームセンターでも売られている「消石灰」と、牡蠣殻灰である「有機石灰」、これを同量ずつまぜます。それに海藻糊の代用としてメチルセルロースなるものの粉末を混ぜます。これは塗料用の増粘材として一般に販売されているものですが、それなりにマニアックなお店にいかないと手に入りません。そして、つなぎとして使おうと思いついたのが「木屑」です。うちの作業場にはいつも木工作業しているので様々な木屑が体積しているんですが、その中でも、自動カンナで出る大量の木屑がちょうど大きさや薄さが良さそうでしたのでぜひこれを使いたいと思っていました。

しかし集まってくれたこの御三方とも木屑ミックスの壁材の経験はありませんでした。けれど、だからこそみんな興味をかき立てられてわくわくしながら初めての木屑ミックス漆喰にチャレンジしたわけなんです。

実際に塗ってみると木屑のおかげで結構厚みが出て、しかも表面は希望どうりのソフトな風合いになりました。塗り心地も良く、作業自体もスムーズに行ったのが意外なほどでした。

これが塗り終えたばかりの壁全体。(写真をクリックすると大きく見れます)

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電球色のLED照明のせいで黄色がかった色合いに見えますが、実際は薄いグレーがかった白色です。グレーは牡蠣灰の色ですね。混ぜ込んだ木屑は杉なので、もしかして時間が経てばうっすらとそこから木の色が出て来るかもしれません。時間の経過とともに色合いが変化していくのも左官壁の面白いところなんですよね。

近くで見るとこんな風に凹凸があります。

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増粘材のおかげか、塗り終えて1時間もすれば早くも硬化して表面は触れるようになります。しかしまだ水分を多分に含んでいるのでしっとり感はあります。木屑もその大きさによって表面のテイストが随分変わるでしょうから、興味のある方はいろいろ試してみられると面白いと思いますよ。

なお、今回使用した材料は消石灰10kg、有機石灰10kg、マーポローズ(メチルセルロース)45g×2、木屑適量、水。コストはしめて約1000円也!
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2017.02.10 雪化粧
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日本中が寒波に包まれています。
昨日の早朝、カーテンを開けると外はこんな雪景色。
庭先の大小さまざまな木の枝という枝がすべて銀白に包まれて、荘厳でした。

この時期には夜中も火を絶やすことのない薪ストーブのおかげで、それでも家の中はあたたかです。

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そんな雪の日には家の中でのお仕事。
今とりかかっているのは大人のベッドルーム。

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二階のロフトの一角に壁を作っています。
材木はメリーモントで育ったヒノキ。一昨年に伐採して乾燥させておいたものを自家用製材機で製材しました。やはりヒノキは格別です。立木を見ると、杉とヒノキは同じ針葉樹なので区別が難しいほどですが、中身はまったく別物です。製材するとそれがよくわかります。のこぎりの刃が容易に入っていかないほど目がつまっていて、粘り気があります。

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こうした梁に使うには最適です。
それに香り。鋸屑は捨てるにはもったいないような自然のアロマです。
これで作ったベッドルームでは素敵な夢が見れそうです。

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なにやら楽しげにひとりで作業しております。
今日は我が家1年分の味噌を仕込む大仕事の日!のはずなんですが、この笑顔。

その秘密はそばに力強い相棒(私ではなく)がいるからなんです。
アップの写真を取り忘れてしまいましたが、それが「みそいち」君。350Wのモーターで動くすごい働きものです。今日はラッキーなことに天気もよくてソーラーパネルの発電量もマックスでしたので気持ちよくみそいち君も動いてくれました。

かねては手作りの木の臼に茹でた大豆をいれて家族総出でこね回していたこともありましたが、近年は機械の便利さに完敗。基本的には面倒なことの嫌いな妻もこのおかげで「今年はひとりでやってみたい」と言い出したほど。

その裏には、この味噌づくりに使う大切な大豆を分けて頂いた知り合いのおばあちゃんの存在もあります。そのおばあちゃんは長いことずっと、みさを大豆というわが高森町でしか栽培されていない貴重な大豆を育てていらっしゃいました。縁あってその大豆を分けていただけるようになり、今年もその貴重な大豆を使っております。

さらに、麹は我が家でとれた自家製のお米を原料にしています。普通は白米を麹にするんですが、より玄米に近い配合にしたくて、4分づきに精米したものを地元の小さな麹屋さんにお願いして麹にしてもらいました。

主な原料がみんな作り手の顔が見えて心を感じられるものですから、仕込むのもまた愉しみであります。

これがその特製麹と幻のみさを大豆を混ぜたものです。

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それをみそいち君のホッパーに入れていきますと

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どんどん吸い込みながらネリネリしてくれて、下からにょろにょろと羊羹のようになって出てきます。

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このみそいち君は、大豆をつぶすだけではなくて、同時に全ての材料を上手に混ぜ合わせてくれるので、あとはこれを味噌瓶に押し込んでいくだけなのです。

みさを大豆はとても硬い品種なので、やわらかく煮えるまで2日間かかりますが、その後はこのみそいち君のおかげで1時間もあれば1年分の仕込みが終わってしまいます。
冬はその寒さのおかげでいろんな保存食がおいしく作れる楽しい季節でもあります。年々、そんな愉しみがひとつずつ増えていくのもまたうれしいことです。

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正月を迎えるために作った門松を燃やしました。
本当は、14日に地区でおこなった「どんどや」で燃やすはずだったんですが、ちょうどキムチの仕込みに追われていてタイミングを逃してしまいました。

この日は家の敷地内の整備をしたので、昼過ぎから刈った竹や笹、雑木などをドラム缶に入れて燃やして処分していました。午後の4時過ぎになり、学校から我が家のこどもたちが帰宅してきた頃を見計らって門松を火の中にいれました。

まだ水分のたっぷり含んだ肉厚のモウソウ竹はなかなか火がつかず、日も暮れて宿題を終えたこどもたちが外へ出て来た頃にはようやく勢い良く燃え上がり闇に美しい火の粉を巻き上げていました。

長男はすぐさまドラム缶の横にあった小さな空き缶にたまった雨水が凍ったその氷の塊を地面に叩き出しました。それはきれいな丸い形に転がり出ました。そしてそれも近くに転がっていた1mほどの鉄筋の棒をドラム缶の空気穴から中に突っ込み、赤くなるまで熱します。充分熱した棒の先端でその氷に触れるときもちの良い音をたてながら氷が造形されていきます。できあがった氷のオブジェは一緒にいた末の娘にプレゼントされました。

この門松、ちょうど冬休みに入ったこどもたちと一緒に作ったわけですが、そのこどもたちがもらってくる冬休みのしおりには毎年書かれていることがあります。

「火遊びをしないこと」

誤解を恐れずに言えば、私は火遊びをすすめています。それは火を知り、味方にするためです。危険なものほどその相手を理解することが本当に大切なことです。危険だからと実際に触れず、距離を置き続けて眺めているだけではそのものの本当の実態を理解することは不可能です。理解していればいざというときに対処する力も備わってきます。

そしてこどもが真に学ぶ力を発揮するのは遊びの中から生まれます。遊びは自発性の塊だからです。強制されることからは自ら学ぶ力は生まれません。

こどもは遊ぶことが仕事です。良質な遊びこそがこどもを育てます。おとなはそれを邪魔してはいけません。危ないことであればなおのこと、上手に体験させることが必要です。そこから生きるために必要なルールが生まれます。対処し、扱う本当の力が育ちます。その先にあるものは、自分の力の及ばない大いなるものへの畏敬の心です。そんなこどもを育てられれば、この子たちが生きてゆく地球の未来は大丈夫です。






2017.01.17 冬のおしごと
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山には「農林業」という言葉があります。私が住んでいるこの山間部の農村地帯では、夏にはその気候を生かしたキャベツなどの高原野菜が農業の中心となっています。しかし多くの農家にとって、作物を育てるには厳しすぎるこの場所で、冬場の収入源を確保するのは大変なようです。一方、林業にとっては冬場がハイシーズンとなります。秋から冬にかけて気温が低くなり、木がたくさん水を吸い上げなくなったときが刈採適期になるからです。山間部においては、この農業と林業をかけもつことで1年をとおして安定した生活を確保できるとされています。

私にとってはこの両者ともに生業としているわけではないのですが、やはり冬場のおしごととして、敷地内の樹木の整備が重要になります。夏場には田んぼを始め、仕事が盛りだくさんでそちらまで手がまわらないというのが実情なんですが。

昨日と今日は風もなく、日中は比較的あたたかくて久しぶりにチェンソー仕事に精を出す気分になりました。
まずは春から稲の育苗に使うビニールハウスの日当りを確保するためにヒノキを30本ほど伐採し、次に家の裏手にあるケヤキが通行の邪魔になっていたのでそれを5本と松が1本、そして家の南側に日陰をつくっていたヒノキを10本ほど倒しました。

倒したヒノキは枝を切らず、葉をつけたまましばらく寝かせておくと、葉はまだ生き残ろうとして幹の水分を使ってくれるので乾燥が早まります。これを「葉枯らし」といいます。

一方、ケヤキは落葉樹ですのでこの時期には葉はきれいに落ちていますので、枝は切り落としてこのようにまとめて乾かします。

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この枝は扱いやすい焚き付け材料として重宝します。

幹は薪となり、数年後には家を暖めてくれます。

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この薪用の幹を見ていたら、その切り口がとてもきれいなことにきづきました。

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年輪が密できれいな円をしています。これは、私がここに来る前の20年間ほどはこのケヤキは植林されたヒノキに陽を遮られ、成長が遅かったためなのでしょう。それに、密植していたため、横に枝を張れず、細長く上に伸びたのも幸いして、節の少ないまっすぐな材となっています。

薪にしようと思っていたこのケヤキのうち、こうした素性の良い部分はゆっくりと乾燥させて、いつの日か家族が食事に使うお椀を作ってみようと思います。その姿になるまでにはあと何年もかけて準備してもらいますが、時間をかければそれだけ、木は長く次の命を生きることができるという訳です。